親子の関係-- 子どもが、子どもらしくいられるために 2010年11月



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頭ごなしに親が子どもを叱りつけるような、上下関係の強かった昔と違い、最近の親子関係は、その対極ともいえる、何でも話せる「友達」のような関係が増えているようだ。大人になってから、それで上手くいくケースもあるだろうが、セラピーの現場では、その極端な親子関係で傷ついている子ども達、または親達を見ることが多い。

 

違う家庭環境で育った2人が一緒になるのだから、親同士の関係が上手くゆかないこともでてくる。そこで、互いに向き合おうとせず、無意識に子どもを巻き込むと悲劇が始まる。良くあるパターンとして、子どもが母親(父親の場合もある)の愚痴の聞き役としての役割(もう片方の親への不満を含む)を果たすうちに、 母親の肩を持つ形で父親との関係が希薄になり、父親が家に居辛くなる。子どもは、結果的に自分と父親を遠ざけた母親にも、無意識のうちに不満が募る。結局、家族全員が不幸になるのだ。

 

離婚をしたカップルは必ず気をつけて欲しいし、一緒にいるカップルであっても、子どもがいるのなら、彼等の前ではもう片方の親の悪口を言うのは控えて欲しい。彼等の半分は、もう片方の親を由来しているのだから、無意識にも自分のオリジンを否定されることで、子どもはとても傷つくのだ。そして、自分に対しても自信が持てなくなる。

 

相手のやることを100%満足し、受け止められる人はいない。だからといって、「聞かない」というチョイスのない子どもに、彼等のもう一人の親の 愚痴を 垂れ流しに言うのは、親の傲慢であり、パワーハラスメントに近い。親も、子どもも、意識してやっていないことを祈るが、この悪影響は後に大きく響く。子どもの将来のパートナーへの関わり方、子育ての仕方に、あなたの親から続く不健康なパターンが引き継がれてしまうかもしれない。気をつけ、努力すれば、そのパターンは変えることができる。

 

子どもをセラピスト代わりにしていないだろうか?自分が満たされない寂しさ、相手への不満のはけ口にしていないだろうか?子どもは、あなたの友達でも、いつでも使える相談役でもない。親は、子どもが、安心して色々試して、成長してゆく安全な環境を与えることを大切にして欲しい。沢山の子どもとセラピーをしてきて、ほぼ間違いなくいえるのは、子どもの行動、精神問題は、家族、親の問題に密接に関わっている場合が殆どである。完璧な親になる必要はないが、子どもが、こどもらしくいられるように、親は、自分の問題に立ち向かえる強さを持って欲しい。必要ならば、セラピーに行っていくらでも愚痴を言ってみてはどうだろうか。家庭の問題が改善されると、必ず、子どもの症状も改善される。後に取り戻すことができない、 子どもが、子どもでいられる 大切な時代をプレゼントして欲しい。