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対人関係において、相手に悪気がなくても、自分には不快でやめて欲しい嫌な事はよくありますよね。 それは子ども同士にも頻繁におこることです。私がアメリカ、現地校でスクールカウンセラーをしていた時によく子ども達に教えていた対処法があります。とても簡単、かつ効果的なので、先生達もよく使っていましたが、意外に知らない方もいるようなので、またここで紹介してみようと思います。

 

「1・2・3ステップ」といって、他の人に嫌な事をされた時に、どのように対処するか、という簡単なテクニックです。最初に、

 

1:"(Please) Stop it!" /「やめて(下さい)!」と自分の意志を伝えるーこれでやめてもらえたら、しめたものなのですが、なかなかそうはいかない場合もあるでしょう。その時は

 

2:Walk away/その場を離れるー大概はこれで大きなケンカになることを防ぐ事ができますが、距離をとるのが状況的に難しい時もあります。

 

3:Tell someone you can trust to get help/ 信用できる人に相談して助けを求めるーyard dutiesや先生、保護者、セラピスト等に相談し、大人や第三者に介入してもらいます。

 

この順番も大切です。はじめから自分で解決しようとしないと、いつまでたっても子どもは自立心や自信がもてず、周りに依存し、弱い子だとみなされ、いじめや虐待のターゲットにもなりかねません。

 

これは、子ども同士だけではなく、子どもが大人から虐待されるのも防ぎます。不審者が近寄って来た時に、また知っている人でも、何か嫌なことをされそうになった時には「やめて」と伝え、その場から「逃げ」、他の人に「助け」を求める事で、犯罪を未然に防ぎ、あるいは早期発見につながります。また、大人もこのテクニックを利用できます。例えば、職場で同僚/上司との間でやめて欲しい事があるときは、1:相手に解りやすいように自分がその行為/言葉を嫌がっている事をはっきりと伝える。2:その相手とそういった状況/環境に居合わせないようにする。3:上司/HR等に相談する。ここでも、対処の順番が大切になってきます。相手に自分の意志を伝える前にいきなりHRに駆け込んでも、先ずは自分の意思表明をすることを薦められます、また大切なのは、1・2で上手くいかなかった時に、必ず3に進む事です。一人で悩まず、周りの人の協力を得て、より良い関係を築いていきましょう。

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過去のニュースレターの中で、何度も褒めることの重要性を伝えてきましたが、今回は実際にどうやって褒める、ポジティブアテンションをあげるかについて紹介します。

あなたでいてくれて、ありがとう。


周りの人達に認められる、充分なポジティブアテンションを得ることは、精神のバランスと健康を保つのに役立ちます。実際には、子どもだけではなく、大人も、足りていないと感じているのが現状でしょう。以下に簡単な4つのアテンションの種類をあげてみました。

  • 存在/人格に対するアテンション            
ポジティブ +                                                             
そのままのあなたという存在に感謝:
「あなたと一緒にいるだけで嬉しい」, 「あなたの笑顔が私に勇気をくれる」「可愛いね」「優しいね」等。   

ネガティブ -
差別 (人種, 家庭環境, 貧富の差, etc,) 等、その人の人格、存在を否定する:
「おまえは本当に性根が悪い」
「産まれて来なければよかったのに」
***こういった、セルフエスティームを下げる認知が必要な人はいません。***    

  •   行動に対するアテンション
ポジティブ +
何かしたことに対する認知:
 「良い成績をとって、えらいね」
「お手伝いしてくれて、ありがとう」
「嫌いなのに、よく練習頑張ったね」

ネガティブ -
建設的な批評や感想:
「そこで弟を叩くのは、よくない」
出来るだけ、具体的に指摘し、行動に対するネガティブアテンションであることを明確にする。存在に対する批判と受け止められる可能性を避ける。
                                            


簡単なのは、行動に対しての褒め言葉です。ポジティブな行動をしたことを知らせ、再現される可能性を上げる、ポジティブサイクル効果もあります。それも大切ですが、本人のセルフエスティーム(自尊心、自信)を引き上げる、存在に対するポジティブアテンションも必要です。始めは難しいかもしれませんが、慣れてしまえば、こういった褒め言葉も自然に出て来るようになり、言った方、言われた方の両方にポジティブな効果があります。そして、行動に対するネガティブな認知を与えるのも、社会性を養って行く為に大切ですが、必ず具体的に、行動に対するものでなくてはいけません。そして、ネガティブアテンションを1つ与えたら、必ずその倍はポジティブアテンションもあげて下さい。この3つをバランスよく体験することが、安定した人格形成には必要です。自分の大切な人に、どのようなアテンションを与えているのか、自分が与えられているのか。一度、リアリティチェックをしてみてはどうでしょうか?


失敗することの大切さ

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「"脱線する度胸″を持ち続ける」 

ふと、目に留まったある雑誌の中のタイトルです。なんていい言葉だろう、と思いました。脱線する、間違えることを恐れていると、何もはじめられません。私も、自分がいよいよ、初めてカウンセリングをする直前のことを思い出します。「間違ったらどうしよう!傷ついているクライアントに、更に落ち込むことを言ってしまったらどうしよう!」と、恐怖感で一杯の私に、ベテランセラピストのスーパーバイザーが与えてくれた言葉は、「失敗してもいいのよ」でした。その一言で、がちがちに固まっていた自分の肩が、軽くなった感覚を今でも覚えています。

人生経験の圧倒的に少ない子どもにとっては、始めてのことのほうが多いわけですよね。でも、初体験を怖がるというのは、周りの大人から習うことです。道路に飛び出したら危ない、熱いものに触らないなど、安全を守る為に必要なこともありますが、子どもを守りたいが為に、必要以上に恐怖心を植え付け、彼等の可能性や、好奇心の芽を潰してはいませんか?

「 失敗してもいいから、やってごらん」と言えますか?

私が学校でセラピーをしていた、小学校一年生の男の子は、周りの目を気にして、自分の苦手なことには一切、手をつけようとしませんでした。年の離れた3人兄弟の末っ子の彼は、当然、お姉さん、お兄さんに比べて、未熟です。同じようにやろうとしては失敗していました。彼の両親は、そんな彼の幼さを可愛らしいと思って、彼の失敗をいつもからかっていたそうです。当の本人は、自分の失敗を笑われて、とても傷ついていました。

「私があなたくらいの頃には、これができなかったのよ。くやしかったわ。でも、こうしたらできるようになったの。」とか、「お兄ちゃんは、これができなかったけど、あれは上手にできるようになった」とか、皆が失敗したり、脱線したり、試行錯誤してやってきたのだ、ということを教えてもらえたら、どんなに心が晴れるでしょう。彼等の経験や視野は狭いのです。失敗しても大丈夫、ときちんと彼等に伝えましょう。小さな挫折、失敗を経験してこなかった人は、打たれ弱くなります。他人への思いやりも、自分が失敗した経験がないと、なかなかわきません。 失敗をし、脱線したからこそ見えて来る景色や、工夫や発見もある訳です。
次回、子どもが何か失敗したときには、親は、まず深呼吸。頭ごなしに叱らないで、チャレンジしたことを褒めてあげて下さい。そうしなければ、子どもは、自分が失敗すれば怒られる(笑われる)、失敗するくらいなら、やらない方がいい。と考えるようになります。
自分で打開策を見つけられる、強い人間になれるように、失敗、脱線を怖がらない環境を整えてあげてはどうでしょうか?


 
DSCF2097もうすぐ夏休みですね。家族で遠出する機会も増えます。他の家族との交流もあるでしょう。日本から遊びに来る親戚もいるかもしれません。楽しい休みですが、子どもがはめを外しすぎたら、安全の為にも叱らなくてはいけません。でも、他人の子どもだったら、どうやって叱りますか?他の家族の子どもの躾に疑問がありますか?躾と称して、体罰や、言葉の暴力で子どもを傷つけてはいませんか?アメリカでは、児童虐待を取り締まる為の厳しい法律があります。皆さんは、どの程度ご存知でしょうか?

Physical, Psychological, Emotional Abuse and Neglect-

まず、体罰はいけません。小さい子どもを躾けるために、危ないことをした時にお尻を軽く叩くぐらいでは、警察は来ませんが、物を使ったり、痕が残る程叩いたりするのは厳禁です。 暴力は、怒りと悲しみを植え付けます。体罰を与えられた子どもは、身体だけではなく、精神的にも深く傷を負います。それよりももっと有効な躾の方法があります。本当に体罰が必要でしょうか?あなたのフラストレーションのはけ口になっていませんか?
大きな声で、「馬鹿」だとか、罵るのは言葉の暴力です。子どもを無視するのは精神的虐待です。子どもに必要な食事を与えない、小さい子を一人きりで留守番をさせるなども、ネグレクトとして、児童虐待とみなされます。いずれも、意図的、継続的にした時に適用されるのであって、事故で子どもが怪我をしたとき等には、児童虐待とはみなされません。

児童虐待法は、保護者を苦しめる為にあるのではなく、子どもと、その家族を守る為に作られました。本来ならば、子どもを守る立場にあるはずの大人が、子どもを虐待しているケースは、残念ながら後を絶ちません。従って、子どもと接する立場にある教育者、医師、カウンセラー等は、児童虐待の可能性がある場合には、行政に通報する義務があります。それ以外の人達は、匿名で通報することが可能です。Child Protective Service か、最寄りの警察に連絡して下されば、トレーニングを受けたソーシャルワーカーが状況を判断して、虐待の可能性があると判断した場合にのみ、子どもと保護者にインタビューします。記録はデータベースに残りますので、一回の通報で行政が動かなくても、あきらめないで下さい。親類の助けもなく、ストレスが溜まって、どうしようもなかった家族が、通報をきっかけに行政の介入をうけ、家族全員が恩恵をうける場合も少なくありません。子どもの安全が第一です。後で後悔するよりも、まずは相談してみましょう。

Child Protective Services (CPS) /Santa Clara
http://www.capcsac.org/about-capcs
408-299-2071 San Jose
415-493-1186 North County
408-683-0601 South County


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気まぐれなお天気だった春も終盤。いつもなら、姿を消している忘れな草がいつまでも咲いていて、ちょっと嬉しくなります。日本では新学期がはじまり、なにかと自分を振り返る機会も多いのではないでしょうか?今日は、私がしばしば保護者の方と話していて気になる「良い母親/父親」像についてお話ししましょう。

「良い母親/父親」とは?

親になるのに試験はいりません。「こうすれば良い親になれます」という黄金律もありません。わざと傷つけないという、最低限のことを守り、さらに一人では生きてゆけない、可愛いけれども未熟な子どもを育てるという、不安や焦りもあることでしょう。でも子育てとは同時に、親も成長する時期です。複数の子どもがいる場合、同じ親を持っていても、体験する子育て、親の対応も違ってきますので、兄弟姉妹が違う人間に育つのは当然です。

産んでしまえばなんとかなる、という昔流の考えは、人間関係の希薄な現代では通用しないでしょう。周りのサポート無しで、親になるのは大変なことです。人は、新しい事に直面した時、無意識に自分の記憶から関係した経験を引き出して参考にします。子ども時代に忌み嫌っていた事でも、気づくと自分の親と同じ事を自分の子どもに言ったり、したりする事はありませんか? では、「良い母親/父親」になるにはどうしたらよいのでしょうか?

まず、あなたにとっての良い母、父とは、どんな人物でしょうか。それは、あなたの理想ではあっても、あなたの子どもが望んでいる親の像と一致するとは限りません。あなたが子どもの頃にしてもらえなかったことを、無理に子どもに押し付けてはいませんか?それは、あなたが欲しかったもので、あなたの子どもが欲しているものではないかもしれません。子どもの意見を聞くことが大切です。両方を考慮した上で、その家庭なりの子育てを試行錯誤していきましょう。

完璧な人間がいないように、完璧な親もいないのです。そして完璧な子育ても存在しません。安全を確保した上で、色々試してみて、間違えたと思ったら、反省して、子どもにも謝って、直せばいいのです。そして、上手くいったと思ったら、その成果を家族で楽しみましょう。 家事を完璧にこなすお母さん、沢山お金を稼ぎ、何でも買ってくれるお父さんが良い親とは限りません。それは、とても表面的なことであって、本質ではないのです。間違いを恐れず、柔軟な対応ができる、ゆったりとした態度が、子どもの良いお手本になるのではないでしょうか?移ろいやすい「良い母親/父親」像に縛られず、子どもとのかけがいのない時間を楽しんで下さい。お互いに人間として成長してゆけば、あなたの親としての評価は、子どもが時間を置いた後に出してくれることでしょう。

カウンセリングとは? 4月2010

DSCF2271カリフォルニアらしい、青い空が広がっています。レストランやカフェでは、外の席が大人気です。誰もが、気持ちの良い青空と上天気を待っていたのですね。外出の機会も増えて、人と会うことも多くなるでしょう。私も出合った人に、「セラピーってどんなことをするのですか?」と質問されたりします。今回は皆さんに、アメリカでのカウンセリング事情を少しお話してみましょう。

カウンセラーは、医師ではありませんから、薬を処方することはできません。ウツや、不眠の為にお薬が必要な場合は、ファミリードクターが処方してくれます。持病があったり、妊娠や授乳中など、特別な場合は、Psychiatrist、精神科医を紹介してもらいましょう。体質によって、効果や副作用のでかたもちがいますので、焦らず、ドクターとよく相談して、自分にあう種類の薬を、どのくらい服用するのがいいのかを探してください。精神的なことが原因だと思っていた症状でも、実は身体のバランスが崩れているのが原因だったりします。でも、お薬だけを利用するよりも、カウンセリングを併用するほうが、効果があがりやすいのです。日本では、投薬治療を中心としていて、カウンセリングをおざなりにしがちです。ですから、今のお薬は、習慣性のあるものが少なくなっていますが、気持ち的に依存してしまい、調子が悪くなると、お薬に頼る人たちがでてきます。それでは治療にはなっても、予防にはなりません。

最近では、東洋医学や、民間療法が見直されています。それは、すでに病気になった人たちを治療することに重点をおいてきた西洋医学とは違い、予防を推奨してきたからでしょう。食生活を見直す、生活習慣を改善するなど、大切なことです。それと同時に、精神的に追い詰められる前に、カウンセリングを受けることも大切です。アメリカの学校の先生達は、転校生が新しい学校になじめなかったり、家庭で何かつらいこと(誰かが亡くなる、両親が離婚する等)がある子ども達に、カウンセリングをすすめます。大変な環境にいる時には、普段よりもサポートが必要です。子ども達は、自分でそれを上手く言葉に出して伝えることが、なかなかできません。ですから、子ども達のことを良く知っている、ベテランの先生程、早いうちに子ども達をカウンセリングにつれてきてくれました。

私は、子ども達にカウンセリングを説明するときに、こういいます。「お腹がいたかったら、お医者さんにあうでしょう。歯が痛かったら、歯医者さんにあうでしょう?こころが痛かったり、つらかったりするときには、カウンセラーにあうんだよ。カウンセラーのしごとは、皆のつらい気持ちをなるべく早く、らくにさせて、自分のことが好きになれるように助けることなんだよ。そして、お腹が痛くならないように、食べ過ぎない、虫歯にならないようにきちんと歯をみがくように、心が痛くなるのを防ぐ方法を一緒にさがそうね。」
カウンセリングは、罰ではないんです。自分を大切にするための、ツールです。自分を責める殻に閉じこもってばかりいないで、外にでられるように、そろそろ準備してみませんか。気持ちの良い青空があなたをまっていますよ。


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黄色い水仙や、オレンジ色のカリフォルニア・ポピーが咲き出して、目を楽しませてくれます。春ですね。花粉症の人には辛い季節でしょうが、青空や花々の美しさが、気持ちを晴れやかにしてくれる、嬉しい季節の到来です。

私は、カウンセラーという仕事上、個人的な様々なお話を聴かせて頂きます。その度に、クラインアントの方々に教えられることが沢山あります。大学院の授業で学んだ、机上の教えも大切ですが、クライアントの方々と接し始めて以降の経験が、今のプロフェッショナルな私を作り上げてくれたと、感謝しています。私も一人の人間ですので、いつも完璧な対応ができているとは思いませんが。

日本人は、相手を不快に感じても、それを口に出したり、伝えることが苦手のようです。自分で我慢をするか、相手との関係を絶ってしまう傾向があるのではないでしょうか。「言ってもしょうがない」と思うのかもしれません。また、相手から冷静に不満を述べられることにも慣れていないでしょう。すぐ個人的にとってしまう傾向も多く、いつまでも引きずってしまいがちです。ですから、私とのセッションの中でクライアントの方が、私に怒っても、それを真摯に受け止めるようにしています。私を信頼すればこそ、他人には見せることの難しい感情をシェアしてくれているのですから。私は、そのことをまず、言葉に出して感謝の気持ちを伝えます。

私が一緒になって怒らないことで、殆どの人の怒りは納まってゆきます。怒っているのに、表面では、黙っているのとはちがいます。日本の親御さんは、黙って怒りをやり過ごすことを選びがちですが、それはかえって怒っている人を傷つけ、見放された気分にさせてしまいます。こちらでは、Silent treatment/サイレント・トリートメントといって、とても冷たい反応とされています。

怒りは怒りを呼び、悪いサイクルにはまりがちです。子どもが駄々をこねたり、無茶なことを言ったりした時、親であるあなたは、大声で怒り返しますか? 或いは、無視をして、子どもを避けますか? それは、サイレント・トリートメントですよ。どちらも、子どもを傷つけます。「私が我慢をすれば」と気持ちを押し殺せば、圧力鍋にもっと圧力をかけるように、爆発しやすくなるのです 。自分を大切にすることは、周りの人を大事にすることに繋がります。カウンセリングに行く、サポートグループに参加する等が、自由に自分の気持ちを発散させる良い機会だと思います。自分なりの方法を気長に探してみてください。そして、花や小鳥のさえずりにも、耳を傾ける心の余裕を持って、春を楽しみましょう!


 

春までもう少し (2月2010年)

DSCF2178 低く垂れ込めた鉛色の空模様。冬は気分も暗くなる日がありますね。私のクライアントの方達も、いつもより調子が良くないようです。冬の長いアラスカ等では良く知られていますが、「シーズナルデプレッション」という言葉があります。冬は天候が不順だったり、日照時間が少なかったりで、家に篭りがちになり、ウツ気味になりやすいのです。

治療法の一つに、太陽や照明の光を浴びることもあります。家にいる時は、なるべく照明をつけ明るくする、華やいだ色のカーテンや、ベッドカバーに取り替えるといったことも、良いアイデアですね。冬晴れの日には、外に出て、お日様の光を浴び、身体を動かすのもお勧めです。「寒い、寒い」と屋内でちち゛こまっていると、身体にも心にも良くありません。といって、こんなに落ち込むのは、自分が悪いのだ、もっと頑張らなきゃ、と自分を責めるのは、もっとお勧めできません。「寒い時、天気の悪い時期は、いつもよりネガティブになるのは仕方ないよね」と、割り切って、乗り切る方へ頭を切り替えるのが大事です。明るい性質の人だって、落ち込むことはあります。バランスが大切です。ウツ気味になる自分をいつまでも責めないで、それに気がついて、改善しようとしている自分を褒めてください。

1月号で書いたように、褒めることは魔法のような働きをします。でも、本人や他の人を、わざと傷つけた時は、叱らなければいけません。子どもは、色々な意味でまっさらなので、わからないことだらけです。他人への思いやりなどは、失敗や、様々な経験をしながら身につけてゆくものですね。「ここまではやっても大丈夫だよ」ということを、褒めたり、叱ったりして知らせるのが、大人の役目ではないでしょうか。私たちも、そうやって習ってきたのです。でも、「こんなことをするなんて、なんて悪い子!」というような、子どもの人格を全否定するような叱り方は、いけません。誰でも、間違えることはあるし、悪いことをしてしまうこともあります。叱るときは、八つ当たりではなく、体罰を振るわず、真剣に、かつ冷静に叱りましょう。その子を、正面から受け止めるのことが大切です。その姿勢は、子どもに必ず、伝わります。

叱ったあとは、いつまでもくどくど言うのは止めましょう。間違いについて叱ったのであって、決してあなたを嫌ってはいないということを知らせるために、できれば、抱きしめてあげましょう。そして、きちんと叱ることの出来た自分も、褒めてください。
暗くなりがちなこの時期を乗り越えれば、土の中で耐えてきた球根が、春に美しい花を咲かせるように、あなたの心にも、明るさが戻ってくるはずです。楽しみですね。


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明けまして おめでとうございます。新しい年を迎えて、いろいろな抱負や目標をたてられたことでしょう。もし、まだ余裕があるようでしたら、ぜひこんなことを加えてみて下さい。

おかあさんも ほめられたい

私が大好きな歌手、矢野顕子さんの曲、「いいこ いいこ(GOOD GIRL)」の中に、次のような歌詞があります。(糸井重里作詞)

たまにね ほんとに たまにね
おかあさんも なでられたい
ついでみたいに ささっとだけでも
そのくらい たまにで いいんだ
いいこ いいこ いいこ いいこ
おかあさんも ほめられたい

褒められて嬉しくない人は、少ないでしょう。日本の両親に育てられた、アメリカ在住の子ども達からよく聞くのは、学校や、周りの友達に比べて、日本人の親は、あまり褒めてくれない、という不満です。アメリカは、褒めて伸ばそうとする社会ですが、日本は、マイナス点を指摘して、もっと頑張れという上昇志向型の教育のようです。アメリカ人に比べて、謙虚が美徳という社会通念が強いせいもあるのでしょう。自分の子どもや家族を、本人の前で褒めることに抵抗があるかもしれません。まして、じぶんを褒めるなどということは、照れくさいと思うのではないでしょうか。でも、褒めることは、不思議な力を持っているのです。誇りや、自信の芽を育ててくれるのです。

他人と比べて得た価値観、自尊心は簡単にゆらぎますが、自分の中から立ち上げ、発見した自信は、誰にも奪われることがありません。自分の自信や誇りは、自分で築き上げてゆくものです。周りに踊らされて、ふらふらと漂う根無し草ではなく、地に脚のついた人間になるためには、自分で発見した自信、誇りがその人を強くするのです。

心にもないおべっかを言う必要はありません。子どもや家族、自分自身をよく見て、良い所を見つけましょう。そして褒めてあげましょう。夜寝る前、ベッドに入って、あなたはいくつ自分を褒めてあげられますか?小さなことでいいのです。意識することで、あなたの気持ちは確実に変ってゆくはずです。あなたが自信をもって毎日を楽しんでいる姿を子どもに見せてあげられれば、子どもにとっても、それは力強い励ましになることでしょう。誰も奪うことの出来ない、人生の財産になるでしょう。2010年が、あなたと、あなたが愛するひとたちにとって、充実した光ある年となりますように。
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私がトラウマ治療を学ぶ中でであった本の中に、WHEN BAD THINGS HAPPEN TO GOOD PEOPLE -善良な人に悪いことが起こるとき-By Harold S. Kushner(邦題:なぜ私だけが苦しむのか:現代のヨブ記)という本があります。NYタイムズのベストセラーに選ばれ、話題になりましたから、ご存知の方も多いでしょう。著者はユダヤ教のラビ(指導者)であり、その経験が多く紹介されていまし。しかしこの本は、宗教という枠を超え、障害をもって産まれた子どもを持ち、そして子を亡くした一人の親としての立場で書かれています。

この本には、「ああ、なるほどなあ」と、目から鱗が落ちる思いがすることが、解りやすい言葉で書かれてます。 生きていくうえで、 誰しもがぶつかる疑問に真っ向から取り組んでいるので、世界各国でベストセラーになっているのも肯けます。私が特に素晴らしい、と思ったのは、「どうしてこんなことが私におこったの?」という素朴な、でも答えるのが難しい疑問について書いてある点です。

私のクライアントの中にも、「どうして彼はこんな事をしたのか?」「どうしたら彼女は変ってくれるでしょうか?」という疑問を常に抱いている人達がいます。それは、クシュナーの本の中にある、「どうして神様は私をこんなひどい目にあわせるのでしょうか?」という問いに近いものです。私たちはある程度、推測することは出来ますが、本当のところは、相手に聞いてみないとよく解りません。時には、本人でさえ説明できないこともあるのです。全ての出来事に理由があるわけではなく、「神が支配していないことがらもあるのだと、見方を変えることができたとしたら、たくさんの素晴らしいことが可能になるのです(p.67)」 自分で制御できない、 果てしなく答えの出ないことを解き明かそうと思い悩むより、過去に起こったことを乗り越え、これから自分がどう生きていくかを考えることが、大きな鍵になるのです。口で言うのは簡単ですが、実際にそれをなすのは大変です。 不幸なことは、 残念ながら、時として神にも防ぐことは出来ないが、それをどうやって乗り越えていくかは、その人次第であり、それを見守り支えてくれるのが神だと著者は言うのです。

他にも、悲しんでいる人にどのように接すればよいか、言ってはいけない言葉など、私達が知りたい事が沢山載っている本です。皆さんも今年、いろいろな問題があったかもしれません。それを乗り越えて、新しい年をより良い年にできますように願っています。