August 2009 Archives

学校選びについて (8/2009 発行)

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夏休みも、そろそろ終わりに近づいてきました。夏の楽しい思い出は、できたでしょうか?もう新学期が、すぐそこです。気持ちを新たに、はりきっていきましょう!
私は、ロスアルトス、マウンテンビューの小学校にスクールカウンセラーとして5年間通っていました。その時に、アメリカと日本の学校の色々な違いを経験しましたが、今回は新学期に向けて、その違いをポジティブに利用するのをお勧めします。

ここベイエリアでは、こどもを学力の高い学校に入れようと、ある地域に住むことに懸命になったりする現象が見られます。しかし、成績の良いことがすべてでしょうか? 子どもにはそれぞれ個性があり、その個性を生かしてくれる学校が、成績の数字よりも大切なこともあると思います。数字で子どもたちの心は、はかれません。楽しさや、やる気も数字になるでしょうか?
もうひとつ、学校の方針や、先生達とのつながりが、毎日の学校生活にはとても大切ですね。少し手間はかかりますが、実際に学校を訪れ、校長先生や先生方に会って、話をすることがとてもだいじであり、私がお勧めしたいことでもあります。

日本の校長先生は、あまり父母との関係において、身近ではありません。アメリカでは、学校差はありますが、生徒とも直接顔を合わせる機会が多く、また家族とも気軽に面談に応じてくださいます。良い校長先生は、自分の学校で、今起こっていることに気を配り、どの先生、どの生徒が、がんばっているか、問題を抱えているかを正確に把握しようと、日常から努力しておられます。その校長先生と会って話をしてみることが、我が子にとって適した学校か判断する、良い手がかりだと思います。忙しい方達ですが、必ず時間をとって下さるはずです。

日本では、授業参観日や、特別行事の日でなければ、家族が学校内にいることはあまりありませんが、アメリカの学校では、送り迎えだけでも一日に二回、家族が出入りし、学校によっては保護者が教室や、ランチルームで手伝いをすることもよくあります。それは、それだけ、保護者が子供達の教室で勉強している様子、休み時間に他の子供と、どう接しているか、そして先生達の教え方まで、自然な形で見学できるということです。アメリカの学校はもっと、一般に開かれています。どんどん色んな学校に行って、校長先生、先生達に会って、話をして、疑問に思っていることをきいてみて下さい。言葉が通じないのが不安であれば、何人かでグループになって行っても良いでしょうし、付き添ってくれる人をみつけても良いでしょう。私も度々、保護者の方々と学校見学に行ったり、先生達とのミーティングに同席したこともありますし、必要であればまた手助けしたいと思っています。

たとえ完璧な英語がしゃべれなくても、良い先生達はあなたが子供のことを思って一生懸命なのをわかってくれます。そして、前にも増して気にかけてくれるようになるのです。信頼関係ははじめからそこにあるものではなく、数字で出てくるものでもなく、人と人とが少しずつ積み上げていくものです。今学期は、担任の先生、校長先生達と話す機会をもう少し多く持ってみてください。それが一日の大半を学校で過ごす子供達への大きな助けになるはずです。